株式会社設立登記とテレビ電話による電子定款認証

皆さま、こんにちは 名古屋市南区の司法書士・行政書士の加藤芳樹です。

さて、株式会社を設立するには、事前に定款の認証を公証人の先生にしてもらう必要がありますが、どこの公証役場でも良いわけではありません。

定款の認証は、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局又は地方法務局の所属公証人がこれを行う必要があります(公証人法62条の2)。愛知県内に本店所在地を有する株式会社の定款の認証は、愛知県内の公証役場にお願いします。

今回、東京に本店を置く株式会社の設立の依頼を受けましたので、東京都千代田区の「丸の内公証役場」に定款認証を依頼をしました。以前は、このような場合には、東京都内の同職に定款認証だけをお願いしていたのですが、平成31年3月29日より電子定款の場合にはテレビ電話による認証が可能となっています。

初めてテレビ電話による電子定款の認証手続きを依頼しましたので、手続きの流れなどを記録して置きます。

テレビ電話による電子定款認証は、事務所に居ながらにして電子定款認証手続きをすすめることができる大きなメリットがあります。参考になれば幸いです。

テレビ電話による電子定款認証の流れ

事前準備
テレビ電話による電子定款認証手続きは、パソコン又はスマホ若しくはタブレットにより行うことができます。

パソコンのブラウザはグーグルクロームが推奨されており、カメラ及びマイクが利用できる必要があります。

スマホ若しくはタブレットの場合は、無料の専用アプリ「Face Hub(フィエスハブ」をインストールしておく必要があります。なお、パソコンの場合はこのアプリをインストールしておく必要はありません。

アプリのインストールなどの詳細は、丸の内公証役場の該当ページhttps://www.maru-notary.com/work/teikan/teikan-tv/)をご参照ください。

以下、実際に私がパソコンで行った手順をご説明いたします。
テレビ電話の予約及び定款案等の事前確認の公証人への依頼
公証人に対してメールまたはファックスで、定款案、実質的支配者となるべき者の申告書等の事前確認を依頼し、電話、メール、またはお問い合わせフォームによりテレビ電話による認証の予約をします。

私は、メールにより電子署名した定款案、実質的支配者となるべき者の申告書及び免許証の写しを添付して事前確認と、テレビ電話による電子定款認証の予約をお願いし、併せて必要な謄本(同一情報の提供書面)の通数を通知しました。
電子定款作成代理委任状、印鑑証明書等の事前送付
丸の内公証役場へテレビ電話による電子定款認証の予約等を依頼するメールを発信した当日に、同公証役場の担当公証人からお電話を頂き、さらにメールにてテレビ電話による電子定款認証の決定した予約日時、手順、手数料の振込先口座、テレビ電話接続URLなどが案内がされました。

丸の内公証役場へ予約等のメールをした当日に、担当公証人から内容に問題ない旨の連絡をメールで頂きました。その後、公証役場へ電子定款作成代理に関する委任状、発起人の印鑑証明書(原本及び原本還付をしてもらうために写しも)実質的支配者となるべき者の申告書及び免許証の写しを、返信用レターパックプラスを同封して郵送しました。
公証人への電子申請による電子定款案の認証嘱託
委任状等を公証役場宛てに郵送した当日に、当職が電子署名した電子定款案を担当公証人へ電子(オンライン)申請し、定款認証を嘱託しました。
手数料の振り込み
定款案を公証役場へ電子申請した当日に、内容に問題がない旨と手数料の連絡がメールであり、指定された銀行口座へ定款認証手数料を振り込みました。
テレビ電話による電子定款認証及び認証済み電子定款の受領
予約日時に、あらかじめメールで案内されていたテレビ電話接続URLをクリックすると、自動でテレビ電話システムが立ち上がり、公証人の指示に従って本人確認等の認証手続を進めます。

定款の内容は事前に確認されているため、テレビ電話により公証人の先生の指示に従い当職の本人確認書類(免許証及び司法書士会会員証)をカメラの前に提示しただけで、所要時間は3分ほどでスムーズに終了しました。

なお、本人確認書類は、運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、旅券などの公的機関発行の顔写真付き身分証明書のうちいずれか一つを用意すれば良いです。

上記に記載された住所と定款作成代理人の事務所所在地が異なる場合は、事務所所在地を証する資料(司法書士会会員証など)も必要となります。


認証終了後、オンラインシステムにより認証済電子定款が交付されました。
定款謄本等の受領
電子定款謄本(同一情報の提供書面)、申告受理及び認証証明書、原本還付を依頼していた発起人の印鑑証明書、領収書が、あらかじめ送付していた返信用レターパックプラスにより、定款認証日の翌日に当職の事務所に到着しました。

ZOOMなどを利用したオンライン会議や、打ち合わせに慣れていたこともあると思いますが、丸の内公証役場のレスポンスが迅速で、またテレビ電話による電子定款認証の手続きの説明もとても丁寧で、スムーズに手続きを進めることができました。

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